第34回日本老年麻酔学会

会長挨拶

第34回日本老年麻酔学会
会長 川股 知之
和歌山県立医科大学麻酔科学講座 教授

 この度、歴史ある日本老年麻酔学会を和歌山で開催させていただくことになり、大変光栄に存じます。和歌山では、畑埜義雄先生が2000年に第12回学術大会を開催して以来2回目の開催となります。2022年2月11日(金曜日)~12日(土曜日)に和歌山県立情報交流センターBig Uで開催させていただきます。学術集会テーマは“老年麻酔の挑戦”としました。

 我が国は2007年に65歳以上の人口が21%を超え、世界中のどの国も経験したことのない超高齢社会を突き進んでいます。率とともに平均寿命も上昇し男性は80歳を超え、女性は90歳に迫ろうとしています。改めて毎日の手術症例を振り返ると、患者の高齢化に驚かされます。周術期医療の進歩や手術の低侵襲化は、医学的な適応を拡大し超高齢者の手術を可能にしています。90歳を超えても大動脈弁置換が可能です。一方で、超高齢者に対する積極的治療をどのように考えるか、終末期や死をどのように迎えるかも老年医療の大きな問題です。そこで、老年周術期医療について技術的な面と哲学な面から議論し、新たな老年麻酔の挑戦を発信できればと考えております。

 学術集会会場は南紀白浜に隣接しております。南紀白浜では、万葉の時代から宮人に愛された白浜温泉、黒潮に作られた美しい景観、そして紀州の海の幸を楽しむことができます。知の巨人、南方熊楠が思索を巡らせた地でもあります。少し足を伸ばせば、和歌山が誇る世界遺産“熊野古道”を散策することもできます。2月11日(金曜日)~12日(土曜日)は老年麻酔について議論を深めるとともに和歌山の魅力もお楽しみいただけると幸いです。

 現在のところ、現地開催を予定しております。しかしながら、新型コロナ感染流行状況によりましては、Hybrid開催やWeb開催へ変更する事態になるかもしれません。どのような開催形態になっても、その形態の特徴を生かし、多くの方に参加していただき、老年麻酔の発展に寄与できる学術集会となるよう準備してまいります。

 会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2021年4月吉日

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